年次有給休暇における繰越しの仕組みとは?


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年次有給休暇の繰り越しは可能なのでしょうか?

業務多忙といった会社側の理由で消化できなかった年次有給休暇は、発生の翌年まで繰り越せる形となります。

また労働基準法の第115条では、「賃金やその他請求権は、2年間行わない場合において時効によって消滅する」と規定されているのです。

本年度取得分と繰り越し分はどちらから消化されるのでしょうか?

年次有給休暇消化の順序は、基本的に「先入れ、先出し」となります。

昨年度取得分が5日残っている状態で、今年新たに11日の年次有給休暇が付与された場合は、最初に繰り越しされた5日から使っていく形となるのです。

この考え方に関する明確な判断をした判例・裁判例・通達は存在しません。ただ、昨年から繰り越された5日は2年経った段階で請求権が消滅しますので、労働契約の際にはきちんと従業員に説明しておくようにしてください。

繰り越し分の年次有給休暇は買い上げができるのでしょうか?

時効の2年が過ぎて請求権が消滅してしまった日数や、企業側の配慮により労働基準法で定めた以上の年次有給休暇を付与している場合は、買い上げをすることが可能とされています。

しかし基本的には年次有給休暇の買い上げはできないと通達では定められていますので、「2年間休めなかった従業員に対するイレギュラーケース」と捉えるようにしてください。

また、年次有給休暇は、基本的に従業員による「申請を却下すること」などもできません。したがって、従業員が自由に取得できるように就労環境の整備をすることが事業主の義務となります。

年次有給休暇の繰り越しが多すぎる会社に生じるリスクとは?

従業員が全く年次有給休暇の申請ができない状態に陥っている会社は、「心身を休める余裕がない状態」によって作業場内でのミスやトラブル、病気やケガが発生しやすいリスクを抱えています。

また、年次有給休暇の繰り越しが多い職場は従業員満足度も低い特性がありますので、労使間トラブルなどが起こらないうちに、取得率を高める努力をすべきでしょう。

四ツ橋総合法律事務所では年次有給休暇に関するさまざまな問い合わせを受け付けていますので、繰り越しや買い上げについて疑問や悩みを抱えていらっしゃる際には、お気軽にご相談ください。

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