有給休暇の事後申請が会社に悪循環をもたらす
従業員から突然申請される有給休暇の事後申請は、会社にとって良いことではありません。
「今は人員過剰だし、有給休暇も取得させられていないから…」といった安易な考えで事後申請を許可していると、社内に悪循環が生じるケースもあるため、注意が必要です。
今回は、事業主の皆さんを悩ませる「有給休暇の事後申請」について、さまざまな角度から解説していきます。
労働基準法では有給休暇の事後申請を基本的に認めていないと解釈できる
労働基準法では、有給休暇の申請を基本的に「事前」と定めています。
有給休暇を事前に申請されれば、事業主は「その日で大丈夫か?」といった判断や、部課内での人員やスケジュール調整を行うことができるのです。
このような観点から考えると、従業員の有給休暇取得で会社側が困らないためにも、労働基準法どおりに「事前申請すること」が社内業務の安定した運用という意味でもより良い方法と考えて良いでしょう。
有給休暇の事後申請の多い会社の特徴
有給休暇の事後申請を簡単に受け付けている企業には、必ずといっていいほど、「突然会社を休むような問題従業員」が存在します。
また一部従業員の事後申請を受理していると、まじめに事前申請で有給消化をしているスタッフから不平不満が生じるため、結果として社内の雰囲気や風紀が乱れる可能性が高いのです。
このような会社では、本来会社にいるはずの担当者が不在や休みといった「顧客満足度を下げる要因」も非常に多い傾向がありますので、有給休暇の事後申請が会社の信頼性ダウンに繋がることもあると考えて良いでしょう。
有給休暇の事後申請は絶対にできないのか?
本人や家族に急病などのトラブルが発生した場合は、イレギュラーケースとして有給休暇の事後申請を受理しても良いでしょう。
この場合は、急な欠員によって特定の部課に負担がかかることも考えられますので、「急病で休む人員がいること」を伝えた上で他のスタッフの精神的なフォローをするのが理想です。
また「急病やトラブルの場合は事後申請も認めてもらえる」という特例は、従業員に安心感を与え得る要素となりますので、就労環境の整備といった観点でもメリットが大きいと考えて良さそうです。
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