時間単位の年次有給休暇の仕組みとメリット


ビジネスウーマン コンピューター

時間単位の年次有給休暇の存在をご存知ですか?

平成22年4月の労働基準法改正により、労使協定を締結すれば年次有給休暇の時間単位取得が可能となりました。

今回は事業主の多くが「知らない!」と感じている時間単位の年次有給休暇について、仕組みや特徴、メリットなどを詳しく解説していきます。

時間単位の年次有給休暇はどんな労使協定を締結するのでしょうか?

時間単位の年次有給休暇を導入する際に労使協定で決めることは、適用範囲、日数、1日の時間数という3つの項目です。

一斉に有給休暇を取得されることで通常業務に支障が出る工場などの場合は、労使協定で「時間単位の年次有給休暇を取得する従業員の範囲」を定める必要があります。

しかし、対象とされた従業員の一部について制度の対象外とする場合には、「正常な事業運営を妨げる可能性がある場合」のみといった条件があるため注意が必要です。また、取得目的によって対象範囲を限定することはできない点についても注意が必要です。

時間単位の年次有給休暇は、「1時間を最小単位とする年間5日以内」が基本ルールとなります。

業務の都合によっては2~3時間を取得の範囲とすることもできますので、労使協定で相互に納得した内容を就業規則に盛り込むようにしてください。

時間単位の年次有給休暇の計画的付与や繰越しはできるのでしょうか?

時間単位の年次有給休暇は、計画的付与を行うことはできません。

しかし、普通の有給休暇と同じように翌年度への繰り越しは可能です。ただし、繰越後も上限は従前の年間取得日数(5日以内)のままであり、それ以上に累積されることはありません。
仕事が忙しいなどの理由で時間単位の年次有給休暇を十分に消化できなかった従業員でも翌年以降に適度に消化するチャンスのある制度と考えてよいでしょう。

時間単位の年次有給休暇はどんな会社に適しているのでしょうか?

時間単位の年次有給休暇は、子育て中の従業員や両親の介護をしている従業員の多い会社におすすめの制度です。

子供の送り迎えや家族が入院している病院への訪問といった1~2時間程度の時間で有給休暇を取得することができれば、半日~1日という一般の年次有給休暇を取るよりも遥かに仕事に集中しやすくなります。

また、時間単位の年次有給休暇を使う前の6~7時間という勤務時間の中で効率良く仕事を進めることもできますので、シングルマザーの方などにも嬉しい制度であるといえるでしょう。

まとめ

従業員にとってのメリットが大きい時間単位の年次有給休暇ですが、なかなか有給休暇を消化できずに仕事をしている方にとっては、不満の種が増える存在ともいえそうです。

時間単位の年次有給休暇制度の導入時は労使協定を含めたさまざまな手続きが必要となりますので、労働基準法に詳しい弁護士と相談をしながら各種の調整をしていくのが理想といえます。

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