従業員による横領が発覚!懲戒解雇の手続きにおける4つの注意点


従業員による横領発覚!懲戒解雇にする場合は注意点と手順がある!

従業員による悪質な横領が発覚した場合、後々の労使間トラブルを防ぐために、正しい手順で懲戒解雇を行なう必要があります。これから紹介する注意点と手順を守らずに「1日でも早く会社を辞めて欲しい」という強い想いだけで即刻解雇を行なうと、当該従業員の訴えにより解雇無効による未払い賃金の支払いが命ぜられることもあるため、注意が必要です。こういったトラブルを防ぐためにも、従業員の横領が見つかった場合は必ず、下記のポイントを踏まえる形で懲戒解雇手続きを進めるようにしてください。

横領の証拠集めをしっかり行なう

横領行為をおこなった従業員による言い逃れを防ぐためには、事情聴取前に十分な証拠収集をする必要があります。具体的な証拠としては、銀行からの伝票や契約書、発注書、領収書といった書類だけでなく、当日の本人の行動などもしっかり確認しておく必要があります。また、横領をする従業員の中には、印鑑の持ち出しや偽造を勝手に行っているケースも多く見受けられますので、細部の事実関係まで確認し「間違いなく横領をしているであろう」といえる証拠を押さえた上で事情聴取をすべきと言えるでしょう。

就業規則の懲戒解雇規定をチェックする

従業員の懲戒解雇をする場合は、その事由がどんなに酷いものであっても事業主が自ら決めた就業規則に沿って手続きを進める必要があります。「従業員が行った横領の金額や方法が悪質だから」という理由で就業規則の規定から外れた方法で懲戒処分を行なうと、不当解雇で会社側が訴えられることもあるため、注意が必要です。

事情聴取を行った後、支払誓約書を提出させる

横領をした本人への事情聴取は、「話を聴く人」と「正確に記録を残す人」の2名体制で行なうのが理想です。また横領したお金については、最終的に「本人から返還してもらう」べきものですので、インターネット等により無料で配布されているような書式をダウンロードするなど、その場で支払いに関する誓約書を提出させることを忘れないようにしてください。もし、本人が横領の事実を認めない場合は、本人の主張を明確にしておくためにも弁明書を提出させることが必要です。

懲戒解雇通知書を作り、本人に交付する

当該従業員が「横領をした事実」を認めた場合、懲戒解雇に向けた各種手続きを進められる形となります。懲戒解雇通知書を作成する場合は、後々のトラブルを回避するために「いつ、いくら、どのような方法で」といった横領の事実を詳しく記載するようにしてください。また本人が「会社に来ない・行方不明」といった状況の場合は、横領の事実に基づく懲戒解雇通知書の送付について、内容証明郵便や裁判所で行なう公示送達の手続きの利用を進めることも検討しなければなりません。

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