就業規則には2種類の記載事項が存在する
就業規則を作る際には、必ず記載すべき「絶対的記載事項」と、会社で特定の制度を定めた時のみに記載する「相対的記載事項」という2種類があることを頭に入れておく必要があります。
今回は初めて就業規則を作成する事業主の皆さんが混在しやすい「絶対的記載事項」と「相対的記載事項」の内容と違い、注意点などについて詳しく解説していきます。
就業規則における絶対的記載事項とは?
絶対的記載事項とは、就業規則を作る上で絶対に記載しなければならない内容です。
当該事項の記載がなければ就業規則を労働基準監督署に届出ても基本的に受理されないものと考えておいてください。
記載内容には大きく分けて労働時間、賃金、退職の3つの内容に関するものがあり、労働者は就業規則を確認することで「自分はどんな形で働けばよいのか?」を把握できる形となります。
《労働に関する内容》
・始業時間、終業時間
・休憩時間
・休日
・休暇(年次有給休暇、生理休暇、育児休業など)
・交替勤務について(交替勤務がある場合のみ)
《賃金に関する内容》
・基本給や各手当の決定方法
・賃金の計算方法
・賃金の支払い方法
・賃金の支払日
・賃金の締切日
・昇給に関すること
《退職に関する内容》
・退職、定年、解雇の事由
・退職、定年、解雇の際に必要な手続き
絶対的記載事項にも例外がある
正社員以外にも短期アルバイトなどの特別な雇用形態が存在し、始業や就業時間が従業員ごとに異なる場合には、基本的な内容だけを就業規則に記載して、具体的な内容は個別の労働契約で定めることも可能です。
この場合は、雇入れの契約を行う際に就業規則と併せて個別の規定を書面で渡すのが理想といえます。
就業規則における相対的記載事項とは?
相対的記載事項とは、会社で以下の内容等に関する特定の制度を定めた際に就業規則への記載が必要となる事項のことです。
・退職金に関する内容
・賞与に関する内容
・安全および衛生に関する内容
・労働者の食費や作業用品全般の負担に関する内容
・職業訓練に関する内容
・業務外の傷病扶助に関する内容
・災害補償に関する内容
・表彰や制裁の種類や事由に関する内容
まとめ
就業規則に記載した内容を労働者に不利益に変更する際には、労働者の同意が必要となります。
絶対的記載事項の内容や相対的記載事項の定め方等に関することでお困りの際には、労働問題を多く取り扱っております四ツ橋総合法律事務所にご相談ください。