マイナンバー制度によって就業規則は変更する必要がある?
マイナンバー導入により就業規則の変更が必要といわれているのは、「従業員に対する書類の提示などの手間を省くため」という理由によるものです。
マイナンバーに関するさまざまな規定を記載しているいわゆるマイナンバー法では、「事業主がマイナンバーを取り扱う時には、その利用目的を可能な限り従業員に教えなければならない」と定めています。
また会社でマイナンバーを取り扱うことができるのは、「利用目的を特定した範囲のみ」という規定もありますので、従業員を不安にさせないためにも誰もが閲覧できる就業規則を通して本人への通知を行うのが理想といえます。
特定個人情報保護委員会のホームページでは、本人への通知方法について下記の3つを提案しています。
・就業規則に明記する
・社内LANを使って通知する
・利用目的を記載した書面を配布する
どの方法を使ってもマイナンバーを取り扱うことは可能となりますが、数百人レベルの従業員を抱える企業の場合は、最もシンプルで確実な就業規則という方法を使うのがおすすめといえそうです。
就業規則を変更する際には何を記載すれば良いのでしょう?
就業規則内にマイナンバーに関する記載をプラスする際には、下記の3つの項目を設けるのが理想です。
・マイナンバーの利用範囲
・収集したマイナンバーの機密保持
・マイナンバーを取り扱う従業員への規定(方法や流出時の解雇について)
マイナンバーの利用範囲については、厚生年金、健康保険、雇用保険、労働災害補償保険法関連事務、国民年金、源泉徴収票の作成といった幅広い用途を記載する必要があります。
ひとつでも欠けてしまうと、「自分が知らない範囲でマイナンバーが使われた!」という従業員からのクレームやトラブルに発展するおそれがあるため注意が必要です。
たった12桁で構成されたマイナンバーも、従業員にとってはプライバシーに関する重要な事項となりますので、就業規則の変更などを通して「大切に取り扱っている」と周知することが従業員から事業主への信頼を高める良策になるといえるでしょう。
まとめ
マイナンバー導入に伴い就業規則の変更を行う際には、労働者の同意を得る手続きが必要となります。
全ての従業員が納得できる就業規則に仕上げるためにも、文言や変更手続きに関する不安や疑問が生じた時には四ツ橋総合法律事務所にご相談ください。