誰の目にも触れない就業規則に最低基準効力はあるの?


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化石のような就業規則が存在することもある

アルバイト従業員のみで事業を運営していて、オーナーの主観でさまざまなルールを決められているような会社では、立ち上げの際に作った就業規則が閲覧可能な状況ではなく、「本棚の裏で化石のようになっているケース」も多く存在します。

事務所の大掃除の際にプリントアウトされた就業規則を発見した従業員は、自分がオーナーから知らされていなかった「労働者としての権利」を知るわけですが、「その主張をして良いのか?」といった部分で悩みを抱える人が非常に多い実情があるのです。

特に有給休暇や残業代、賞与に関する規程は、「この主張をすることで、収入がアップするかもしれない」と感じられる要素となりますので、これから紹介するポイントを抑えて就業規則の管理を徹底するようにしてください。

誰の目にも触れない就業規則には効力がない

オーナーが就業規則に基づき懲戒処分などを行う際には「従業員が就業規則を通してその規程を知っていること」が前提となります。

事業を始める際に作った就業規則を本棚や机の奥底にしまっておき、スタッフの誰もが確認できない状態となっている場合は、「就業規則に基づいた処分」はできないものなのです。

ここで指す就業規則の効力のことを、法律では「労働契約規律効力」と呼びます。

化石のような就業規則と労働契約はどちらが優先になる?

就業規則の賞与規程で「月給の3ヶ月分」と定めているのに、雇い入れ時の契約書で「賞与なし」と言われた場合は、就業規則の有する「最低基準効力」により就業規則の内容が優先される可能性があります。

特に従業員が自ら化石のように古い就業規則を発見した場合は、自分が気になる事象について「オーナーに問うこと」が可能となるため、就業規則とは異なる契約内容の変更が生じることを防止するためにも、「作成した就業規則を従業員に周知すべき」といえます。

また労働基準法の120条では就業規則の周知義務に関する刑事罰が定められていますので、罰金刑にならないためにも、「本棚やデスクの中にプリントアウトした就業規則を隠しておく」といったことは止めるべきです。

もし過去に作成した就業規則について従業員から質問を受けた場合は、自分の判断だけで勝手な返答をする前に、労働問題に詳しい弁護士に相談をする必要があるでしょう。

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